瓦葺き職人にも一般の職種と同じく、厚生労働省認可の技能士資格検定があり、内容は小ぶりの模擬屋根を仕上げる実地試験と、瓦全般に関する筆記試験の二項目から成ります。
その中でも実地試験は、実際の瓦葺きにおける各要素が盛り込まれた、非常に良くできた試験内容ですが、模擬屋根を制限時間内に納めるには、事前の練習が欠かせません。
実際の瓦葺き作業では、まず屋根の寸法を測り狂っている部分をどう納めるかと言うところから始まりますが、この模擬試験屋根はプラモデルの様に仕上げると言えば分りやすいでしょうか。
端的に言えば、瓦葺き技能士の資格を取得したければ、このプラモデルの組み立てだけを、何度も何度も練習すれば良いと言う事になります。
そうして得た資格を持つ職人は、瓦職人として造詣が深いのかと言えば、必ずしもそうではないのは言うまでもありません。
さらに、この技能士試験は各自治体によって簡単に取得できる地方と厳しい地方とがあり、制度にバラツキがあるのが現状です。
結局のところ瓦葺き技能士の資格を取ったところで、瓦職人としてただスタート台に立っただけに過ぎないのです。
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