瓦の窯印

今日は瓦の小口に付いている窯印(かまじるし)についてお話します。

焼かれた窯元の刻印、つまりは製造元の証となるものですが、この印を辿れば、北前船で雑多に運ばれてきた多種多様な昔の瓦の故郷を探り当ててあげる事が出来るわけです 。
そうする事により、家人の知られざる家系・ルーツが判明したり、当時のその地域との関わりや背景が明らかにされる等、学術的分野にも有意義に波及します。

北前船の衰退と共に道内に置き去りにされた瓦たち・・・

技術者たちの鍛錬不足が原因で、北海道の風土に瓦が適合しないと誤解されながらも、百年以上人々の生活を守ってきた瓦たちの故郷を知る事。

ほんの些細な自己満足かもしれませんが、私にとってとても大切な事なのです。

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本物の意味

施工してから丸7年、今日は屋根の点検に伺いました。
いや~美しいです!
北海道は洋風住宅が多いので、洋風瓦が映えますね。

7年前ヴァイオリニストの建主様がフェイクではない本物を、と、ご所望され葺いた陶器瓦ですが、釉薬による色合いは今もまったく変わっておりません。瓦表面の色の濃淡も釉薬によるもので、吹き付け塗装ではありませんので半永久的なのです。

瓦形状のトタン屋根もよいですが、それでは飽き足らない本物志向の方、是非ご相談ください!
なんと言っても今の瓦は事実、北海道での実績に裏打ちされているのですから!

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瓦の上を歩いてみよう!

どうも! 幼い子供のはしゃいだ姿をみると、目じりが下がる林です。

この写真は札幌駅地下歩行空間で行われたワークショップの模様です。

道内在住の人々にとって、本物の瓦に触れる機会なんて中々ない事で、まして瓦屋根に上るなんて日常的にまずありえない話で、だからこその企画となりました。

子供たちにとっては忍者のアニメに出てくる屋根なので、とても喜んでもらえましたし、それ以上に大人が楽しんでくれました。
大成功です!

中には瓦に乗ったら割れて危険でしょう、とおっしゃる方がいて、なるほど瓦の事って本当に知られていないんだな、って思いました。
(瓦屋根の上でジャンプしてもそうそう割れたりする事はないのです)

このワークショップが業界の新聞で紹介されると、日本中あちらこちらで同じようなワークショップが開催され好評を博したようです。

って事は、本場でも直接瓦屋根に上る機会はそうそうないという事なのでしょうかね。

機会があればまたやりますこの企画、その際はあなたも童心にかえって是非!!!
※補足ですが男性より女性の方が怖がらずに上るのですね・・・

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瓦が葺かれた塀の話

みなさんもお気づきと思いますが、街を歩いていると頭に瓦がのった塀を目にする事があります。

これらの瓦塀は、風情があると同時に、寺院などでは俗世間と隔絶された荘厳な空間を醸し出すのに一役買ったりと、大変に意味深いものです。

ただし残念な点がひとつだけあります・・・
こうした工事は、家屋の屋根と違って雨仕舞より意匠を優先とする場合が多いので、専門外の業者が見よう見まねで施工をし、その結果とても残念な仕上がりになるケースがある事です。・・・

実のところ塀を納めると言うのは、技術的にとても難易度が高く、人の目線での仕上げですから、施工にはとても神経をすり減らします。

特に塀に瓦を葺くという行為は茶道にも似て、凛とした作法が存在するのです。
そしてその作法に則った屋根は、やはり一味違います。

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紅一点

どうも、近頃なんだか桜の木に目が行くようになった林です。

ちょっと前までこの時期、桜が咲こうがライラックが咲こうが、まったく気が付かずにいたのですが、齢のせいでしょうか・・・

そういえば昨年の4月、私の修行先である石川県寺井町に23年ぶりに訪れた際、廻りの景色に初めて気が付きました。
それは美しい田園の風景で、とおくに連なる山々が見えました。
当時の私は若く、瓦の技術を身に着けるのに必死で、本当に屋根の瓦だけしか見ていなかったのですね。
そのことに気づいた時初めて、私も人並みに一生懸命努力してきたのだ、もっと自分に自信をもって良いのだと感じました。

見渡す限り満開の桜もいいですが、私は緑の中の可憐な一本に魅かれます。

写真は小樽市公会堂の屋根からです。
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瓦の天日干し

みなさん!!
ちょっと見難いかもしれませんがこの写真を観て下さい、昔の札幌白石村にあった瓦工場の風景です。
瓦は粘土を整形しそれを一枚一枚小端立てして天日干しするのですが、この写真はまさにその作業を写し出しています!
いや~北海道でこのような光景を見られるなんて(と言っても100年前の話ですが)すごいです!
今まで知られていなかったのですが、北海道でも瓦を焼いていたのですよ!!
3年前から進めている北海道の瓦ルーツプロジェクトの成果です。

s_tenn(1)
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てっぺんから 五重塔

こんにちわ。
少しパソコン内の写真が片付いた林です。
こうして見ると屋根の上から撮った写真が少なからずある訳で、これは北の京芦別の五重塔のてっぺんから、相輪と呼ばれる避雷針の脇に立って撮ったものです。
思い返すに、工事中はいつもこの大観音様に見守られておりました。

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熊本城の櫓(やぐら)

前回のブログの追記です。

報道では熊本城の天守閣が無残な姿を映す中、同時に、石垣が崩れているのにかかわらず、瓦屋根が無傷な櫓があります。
言うまでもなく、天守閣は昔の工法で葺かれ、この櫓は現代工法で葺かれた屋根なのです。

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熊本の震災で思う事。

まずは被災地の皆様方に対し、心よりお見舞い申し上げます。
弊社も弊社なりに出来うる範囲で支援をと考えております。

さて、被災地の報道の中で目が行くのはやはり瓦屋根の状況ですが、何で瓦と一緒に土が落ちているの?と疑問に思う方も多いのでは、と思います。
ざっくりと言えばこれは土葺き工法といって、昔々のやり方なのです。
道内でも昭和初期までは同じ工法だったのですが、それ以降は土など使わない現代工法に移行しています。
なのに現地では未だ面々と古いやり方が根付いていると言う事実にまず驚かされますが、考えるにそれだけ歴史のある建物が多く残されていると言う事なのでしょう。
また北海道と違って冬の厳しさがない熊本では、工法を変える必要性に迫られていなかったとも言えるのでしょうね。

でも被災地の映像をよく見ると建物は倒壊していても、屋根だけはほとんど無傷な瓦屋根がありますが、正にこれこそが今の現代工法で葺かれた瓦屋根なのです。

ただ被災地の報道のされ方を見ていると、どうもね~
いったいどれだけの人が正しく瓦屋根を見て下さっているのかと考えると何だか複雑な心境です。

※写真は今の寒冷地仕様工法です。参考までに・・・
s_01(1)
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