瓦屋根の主

そうなんです、屋根に上がるとそこには大抵あるじ(主)がいて厳しい目で監視されます。

私は今のところ、この黒い羽根を持つ主に警告されるだけで済んでいますが、それだけでは済まない職人さんもいたりします。

ちなみにその職人さんは、瓦の間に潜む蜘蛛やスズメバチにも好かれ、たまに屋根の上で奇声を上げながら踊っていますが

虫が苦手なくせして、学術的名称や生態などめっぽう虫に詳しいので彼の事を「さかなクン」に習って「むし君」と呼んでいます。

むしが苦手なむし君・・・

しかしバランスの悪い屋根の上で唐突にあれだけ踊れるのですから、瓦職人よりもジャニーズの方があってるように思ったりもします。

瓦屋根の効能

なんだか温泉の泉質のような表題ですが、私が常々いだいている想いです。

言葉にするとこの様な表現になると思うのですが、瓦を生業とする私が何を言っても無理があるように感じて口に出さずに居りました。

しかし先週の日曜日、さる新聞に掲載された札幌市大通公園の写真を観て、こうゆう事だよなって妙に納得しました。

もちろん瓦屋根の効果なんて微々たるものですが、人間がうまく自然と共存していた時代の重要なファクターとして瓦屋根もりっぱに存在していたのです。

どうですか?

どう見ても昔の街並みの方が心にそっと触れませんか?

現代人が今必要としているのは正にこの感覚なのではないでしょうか。




 

 

 

札幌の瓦!

皆さん!明治のころ札幌の白石村で瓦が製造されていた事をご存知ですか?

弊社は数年前より札幌を含む北海道の瓦について、NPO法人歴史的地域資産研究機構の角先生の力を借りて調査して来ましたが、埋もれていた事実が出るわ出るわ、やっぱりプロの研究者の力は凄いですよ。

話すと長くなりますのでまずは一言だけ言わせてください。

北海道の瓦は誤解されていた!!

きっといつか近い将来、詳しい事実が皆さんのお目に留まるでしょう。

写真は明治27年 遠藤白石工場謹製の鬼瓦です。
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北海道の瓦工事についてのある考察

北海道内各所に、お地蔵さまの小さな祠から3000㎡以上の大きな屋根まで多種多様な瓦屋根を手掛けてきましたが、瓦の事を知れば知るほど施工の奥深さが身に染みます。
例えるならば、昔夢中で読んだ谷崎潤一郎の世界に似ているように思います。
最初はごたぶんに漏れず型から入り、大正ロマンの匂いをかいで洒落た文体に酔い、どんどん嵌まって人生の指針とも言える一文に出会い、大きな啓示を浴びまくり、実は結構俗物で、中身なんか空っぽのように思えたり・・・
本当に真剣に向き合えば、自分の為そうとする事は、より遠くに感じられたり。
結局のところ自分の器が小さいと、本来感ずるべきものも感じられず、かりそめの自信を持つ事になるんだろうなぁ。

井の中の蛙大海を知らず。

自分はそうならない様自分の鍛錬を怠らないように努力しよう。

”巧言令色鮮し仁” 先日まさにこの格言の如し出来事があり驚きました。
やはり先人の言葉はおろそかに出来ないな。

あっ、このたびのブログは取り留めのない話で失敬・・・(汗)
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札幌人図鑑

この度、福津京子さんの著書 ”札幌人図鑑” が北海道新聞社から発刊されました。
もともとは札幌で活躍中の色々な方を一年365日、休みなくYouTubeで発信するインタビュー映像だったものを、このほど1.000回達成を期にアナログ出版となったようです。

著者の福津京子さんは専業主婦の後、FMアップルのパーソナリティーを15年程勤め、その中で放送技術のノウハウを学び、1.000人のインタビューを行い、画像編集から映像配信に至るまで一人でこなしています。
ご本人はとても明るい前向きな方で、お会いするとこちらまで元気を頂けるパワースポット的な女性です。

まずは1.000人の中から選りすぐりの70名の方のインタビューが活字になっていますが、本当に素晴らしい生き方をされている方ばかりで大変面白い作品になっています。
ご興味のある方は是非、お手に取って見て下さい。
きっと元気をもらえますよ!
市内の大型書店はもとより、Amazonでも取り扱いがあるようです。

※集合写真は出版記念パーティー時のものです。(マイクを持った美しい方が福津京子さん)
因みに、恐れ多くも私も70人の中に入っています・・・
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瓦の棟づくり

先日、某瓦メーカー社長との話の中で、瓦葺き職人として一番かなめになる技術は、棟をいかに上手く仕上げられるか(鬼と鬼の間に積む瓦の事)に尽きると言う話をされていました。

私はバリバリの現役職人として、瓦葺き各工程の難しさが身に染みておりますので、棟積みの工程のみをクローズアップして考えた事がなかったのですが、なるほど確かにそうかもしれないと思い当たりました。

屋根の平面は割り付けさえしっかりしていれば、瓦職人でなくとも納める事が可能ですが、棟積は熟練した技術がなければ納める事が出来ません。

ですから、口や文章でどんなにうまい事を言っていても、これが出来るか出来ないかと言う事が、瓦職人としての技量の大きな目安になる事は確かですね。

でも私に言わせれば瓦葺きで簡単な工程などありえませんが・・・

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瓦の上を歩いてみよう!

どうも! 幼い子供のはしゃいだ姿をみると、目じりが下がる林です。

この写真は札幌駅地下歩行空間で行われたワークショップの模様です。

道内在住の人々にとって、本物の瓦に触れる機会なんて中々ない事で、まして瓦屋根に上るなんて日常的にまずありえない話で、だからこその企画となりました。

子供たちにとっては忍者のアニメに出てくる屋根なので、とても喜んでもらえましたし、それ以上に大人が楽しんでくれました。
大成功です!

中には瓦に乗ったら割れて危険でしょう、とおっしゃる方がいて、なるほど瓦の事って本当に知られていないんだな、って思いました。
(瓦屋根の上でジャンプしてもそうそう割れたりする事はないのです)

このワークショップが業界の新聞で紹介されると、日本中あちらこちらで同じようなワークショップが開催され好評を博したようです。

って事は、本場でも直接瓦屋根に上る機会はそうそうないという事なのでしょうかね。

機会があればまたやりますこの企画、その際はあなたも童心にかえって是非!!!
※補足ですが男性より女性の方が怖がらずに上るのですね・・・

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紅一点

どうも、近頃なんだか桜の木に目が行くようになった林です。

ちょっと前までこの時期、桜が咲こうがライラックが咲こうが、まったく気が付かずにいたのですが、齢のせいでしょうか・・・

そういえば昨年の4月、私の修行先である石川県寺井町に23年ぶりに訪れた際、廻りの景色に初めて気が付きました。
それは美しい田園の風景で、とおくに連なる山々が見えました。
当時の私は若く、瓦の技術を身に着けるのに必死で、本当に屋根の瓦だけしか見ていなかったのですね。
そのことに気づいた時初めて、私も人並みに一生懸命努力してきたのだ、もっと自分に自信をもって良いのだと感じました。

見渡す限り満開の桜もいいですが、私は緑の中の可憐な一本に魅かれます。

写真は小樽市公会堂の屋根からです。
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熊本城の櫓(やぐら)

前回のブログの追記です。

報道では熊本城の天守閣が無残な姿を映す中、同時に、石垣が崩れているのにかかわらず、瓦屋根が無傷な櫓があります。
言うまでもなく、天守閣は昔の工法で葺かれ、この櫓は現代工法で葺かれた屋根なのです。

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熊本の震災で思う事。

まずは被災地の皆様方に対し、心よりお見舞い申し上げます。
弊社も弊社なりに出来うる範囲で支援をと考えております。

さて、被災地の報道の中で目が行くのはやはり瓦屋根の状況ですが、何で瓦と一緒に土が落ちているの?と疑問に思う方も多いのでは、と思います。
ざっくりと言えばこれは土葺き工法といって、昔々のやり方なのです。
道内でも昭和初期までは同じ工法だったのですが、それ以降は土など使わない現代工法に移行しています。
なのに現地では未だ面々と古いやり方が根付いていると言う事実にまず驚かされますが、考えるにそれだけ歴史のある建物が多く残されていると言う事なのでしょう。
また北海道と違って冬の厳しさがない熊本では、工法を変える必要性に迫られていなかったとも言えるのでしょうね。

でも被災地の映像をよく見ると建物は倒壊していても、屋根だけはほとんど無傷な瓦屋根がありますが、正にこれこそが今の現代工法で葺かれた瓦屋根なのです。

ただ被災地の報道のされ方を見ていると、どうもね~
いったいどれだけの人が正しく瓦屋根を見て下さっているのかと考えると何だか複雑な心境です。

※写真は今の寒冷地仕様工法です。参考までに・・・
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